2012年6月7日木曜日

PDF入稿はPDFで修正したい

twitterをまとめ読みしたら、あまおかさんのツィートに反応したくなったw
原責で広告のPDFで入稿されたけど、出力すると白抜けしまくる。特色もたっぷり入ってる。どうにもならないので先方に元データくださいと返事する。たぶん「この印刷屋はダメだな、PDFで入れてやってんのによ! つかえねーの!」 って言ってるんだろうなーとか思いつつ。
PDF入稿が叫ばれてから数年が経ちます。その間、是非の議論をいくつかTLで読みましたが、自分はやはりPDF入稿が業界標準にならなければ、と思ってます。

アナログの時代はデザイン、版下、製版、印刷といった分業が確立され、責任が明確になってました。
DTPに移行してからこの責任の所在が曖昧になってきたんですね。というより、最後の所が全ての責任を負うという正直、担当者にとっては(やってられねぇ~)という状態が常態化してました。今でもそうなんじゃないかな?

WYSIWYGの合い言葉でDTPが普及してきましたが、WYSIWYGなのは紙出力レベルまで。
フィルム出力すると結果が違うということが日常茶飯事で発生してきました。Distillerのなかった当時の解決策は、製作会社に

PSプリンタ出力時に分版出力で確認

を勧めてきましたが、当時はまだRIPの処理能力が低く、かつ短納期ということもあり現実的ではありませんでした。

その後、AdobeがAcrobat Distillerをリリースし、製作側がRIPと同じ結果を95%の確率で確認できるようになりました。5%の違いはメーカーによる違いですw
出力側にとって福音ともいえたDistillerでしたが、製作側からPDFで入稿することは稀でした。
そりゃそうですよね。PSに書き出してからDistillerを通すという工程を踏むわけですから、仕事が増えるw

製作会社と印刷会社の出力部門を行ったりきたりした身として感じる現状ベストな入稿方法はやはりPDF入稿だと思います。最大の理由は

責任所在の明確化 です。

作成データと同じPDFを作成するまでが製作側の責任。
そのPDFを正確に出力するのが出力側の責任。

昔と違ってPSに書き出しDistillerを通してPDFを作成することなく、「PDF保存」で手軽にPDFが作成できるようになってきました。けれどそのPDFが正確に出力されるかは別問題になってきます。これは

アプリベンダーの責任なのか?
RIPメーカーの責任なのか?

製作側に確認する術がないのですから、アプリベンダー、RIPメーカーを含めて出力側の責任だと思うのであります。

入稿したPDFをグリグリして出力する必要があるのですが、それができない。そのため生データで入稿されると出力側の環境で開き直してしまうため、出力に関するトラブル以外の全リスクを負わなくてはならない。勘弁してください。orz

となると「PDF保存」なる機能は「見せるPDF」保存であり、出力側は「見せるPDF」を「出力できるPDF」にする必要が出てくるのです。これができないことにはPDF入稿は標準にならんし、いつまでも最終側が全責任を負うという事態から脱却できないのです。


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